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BLOG七日原セントラルロード物語

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思うこと

コーヒー

夫がアフリカから戻り、焙煎の前の生豆のピッキング(未熟豆や不良豆を取り除く作業)をしているのを見て、ふと彼のことを思い出しました。

4年程前に日本スペシャルテイコーヒー協会主催のリトリート(焙煎合宿)に夫が参加した時の話です。
一緒に参加した一人の若者が食事の前にインシュリンを打っていました。悲壮感はなくひたすら明るく。
コーラが好物だった彼は糖尿病でコーラが飲めなくなり、その時に出会ったコーヒーに夢中になりそれを仕事にするようになりました。
その後買い付けで訪れたコーヒーの産地で見た光景が彼の人生を変えるきっかけとなったのです。
完熟したコーヒーの実を一粒ずつ、朝から晩まで摘むピッカーと呼ばれる人たち。
コーヒーの木は日当たりと水はけのよい場所、さらに寒暖の差がある場所を好む為、しぜんと労働条件も厳しくなります。
彼らが一日中働いても安い賃金しか貰えないだけでなく、自分が摘んだコーヒーは生活の糧となるため口にすることなどもちろんできないのです。

それに衝撃を受けた彼は、彼らが労力に見合う賃金を得られるようになる為に自分にできることはないのか、彼は目にした衝撃的な光景を見て考えました。
そのためにはもっと沢山の人にスペシャルテイコーヒーを飲んでもらいたい、
そうするためには・・・・・
自分が有名になってもっとスペシャルテイコーヒーを知ってもらおう。
それから彼は焙煎ではなくバリスタとして勉強と練習を重ね、みごと日本ブリュワーズカップチャンピオンになりました。

その技術を是非仙台で披露して欲しい。話して欲しい。夫は訴えました。
その願いと薄謝に快く応じてくれて、コーヒーフェローズ(東北のコーヒーシーンをみんなで盛り上げていこうという集まり)第一回セミナーの講師として来仙していただきました。
日本一のバリスタの一挙手一投足を目の前で見れた感動は今でも忘れられません。
そして彼はその後行われた2016年ワールドブリュワーズカップのチャンピオンになり名実ともに世界一となったのです。

彼のように有名にはなれないけれど、ピッカーさん達の思いを込めて、私たちも変わらずに丁寧に美味しいコーヒー提供できたらとそんなことを思った瞬間でした。

今回のルワンダ、ブルンジで買い付けをした豆は来年の2月頃に届く予定です。
皆様、どうぞ楽しみにお待ちください!

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