先週土曜日のことです。
足の不自由なおばあさんが、ご一緒の方の介助を受けながら、cafe fua の階段を一段いちだん登り、店にいらっしゃいました。
「すみませーん」
店頭で伺うと、
「Oです。娘の好きなコーヒーを買いたくて」
はい?
「娘が、こちらのコーヒーを好きだ、と言ってて」
え? Oさん?
「娘にあげたくて」
・・・。
Oさんは7月に病気で亡くなっていたのでした。
Oさんは月に2度ほど、近くの整骨院にお母様とお友達を仙台から送迎していました。
その施述の合間に当店へいらっしゃっていたのです。
今日の(連れてきた)御一行様は何人様ですか? と尋ねると、「三人様」だったり「お二人様」だったり。
いつも新聞を持参し、入念に読み、時には数独を楽しんでいました。
「今日のコーヒー」を飲み、帰る際にはエチオピア・イリガチェフェの深煎りを買うのが決まりでした。
ですから、こちらも「Oさんがいらっしゃると思って焼いておきました」と。
そのOさんが3月ごろからぱったり、現れなくなりました。
遠方へ転勤したのか、何か気に触ることがあったのか?
エチオピア・イリガチェフェを焙煎する度に、今日はOさんが来るかも、と期待します。
相方は、頼まれてもいないコーヒーを試飲させるから嫌になったんだ、と非難します。
それが・・・。
現役で仕事をしている方でしたから、このような”理由”は想像つきませんでした。
お母様によると、病気のことは秘密にしていて、死の直前まで仕事を続けたそうです。
お母様には、エチオピア・イリガチェフェの深煎りをお渡ししました。
Oさん、七日原セントラルロードでは今年もドウダンツツジが真っ赤に色づいています。
もうすぐ12月です。Oさんが教えてくれた、12月上旬の方が、冬至より日暮れが早いんだ、ということ、確かめますね。
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